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気づき

そう、てらは、本当に色んな事に気づかせてくれる。 日常、見逃している事、聞き流している事が本当は、何かおかしい事も。 

たとえば、‘五体満足’という言葉。 ごくごく普通に使われているし、声高に「差別用語だ」と叫んでる人を見た事がない。 私も、てらを産むまでは、聞き流していた言葉の一つだと思う。親に何度も言われたように思う。なんだかうさん臭い言葉なので、私自身、積極的に使ってはいなかった。乙武洋匡さんが、随分前に‘五体不満足’という本を出して、かなり話題になっていたしミリオンセラーになったのかな? でも、私は乙武さんの‘五体不満足’に込められた大きなメッセージの一つ、‘五体満足’って幸せの絶対条件じゃないし、その逆、‘五体不満足’って、不幸せの条件じゃないよってことは、流れて行ってしまった気がする。

‘五体満足’って、言葉が使われる時って発信者も、受信者も、決してポジティブな状況ではない事が多いように思う。たとえば、「五体満足に産んであげたんだから、親に感謝して、もっと頑張りなさい。」 とか、「五体満足に産まれたんだから、それだけでいいじゃない。」 恩着せがましく、押しつけがましく、ごまかし色たっぷりで、やっぱりうさん臭い。私の勝手なイメージで、本当は良い 使われ方があったりするの? 

大事なのは、‘五体満足’に産んであげること、産まれることではなく、全ては、その後だと思う。

私が読んだ般若心経の本に、書いてあった。『健康な子を授けてください、とか、男がいいとか女がいいとか言うのは間違っている。あなたのところに来るべくして来た子。どんな子でも受け入れなさい。』 と言うような事。 本当にその通りだと思った。 生まれた瞬間から、困難を抱えて来る子、命の危険がある子、もうすでに命が無い子。。。でも、全部受け入れるべきだと思う。 良く私の所に来たね、頑張ったね、ありがとうって言えたら最高かな。 その時はなかなか言えないだろうけど。 

健康な赤ちゃんを望む事は、私は悪い事ではないし、親として当然かなと思う。なかなか、どんな子でもって思うのは、現実難しい。 でも、大事なのは、産まれた後。 健康であろうが、なかろうが、その子を、その子の個性を愛せるか。ただただ、受容できるか。受容する覚悟が無くちゃ、本当は妊娠してはいけないとさえ思う。 なんて言ってる私も、てらを完全に受容するのに何カ月もかかったけど。 自分の所に、来るべくして来た命を両手でしっかり抱きしめればいいだけ。 どうして、そんな簡単な事にもっと早く気づかなかったんだろうと今思う。

‘障害者(児)’という言葉も、なんか引っかかる。とは言え、私は、しょっちゅうこの言葉を使う。それに変わる言葉がないから、便宜上使わざるを得ない。 英語では、handicapped という言葉は、challenged に取って変わった。言葉が変わればいいという訳ではないけど、それに伴って、人々の意識が変わる事は、期待できる。 保育士で、特別支援を担当してる友達が、‘障害者(児)’という言い方は、そのうちなくなるかもしれないと言っているので、そんな動きが日本にもやっと出てきたんだろう。

何を持って‘障害’というのか。 私の勝手な定義は、‘生きて行くことを困難にする慢性のもの’。私の定義に照らし合わせると、今のてらには、全く障害はない。彼ほどハッピーに生きてる人間を私は知らない。‘障害児’というのは、完全に、てらを外から見る人の視点、判断でしかない。  世の中、生きて行くのが苦しく、辛い人、毎日不平不満、人の悪口、恨み事ばかり言って暮らしている人がたくさんいるように思う。 助けが必要なのは、そういう人たちだろう。誰も助けてくれず、行き詰って最悪の事態を引き起こしたりするケースが特に近年多いんじゃないかな。‘五体満足’に産まれてきていても。私も、てらと比べると、障害を抱えていると思う。‘五体満足’に産まれてきたはずなのに。   

‘障害者(児)’と呼ばれる人たちが抱える‘障害’は、周りが変われば無くなるものも随分あるような気がする。

もう一つ、てらが気づかせてくれた事。それは、日本国に、そして、地方行政に感謝する事。てらは、しょっちゅう入院するし、病院にかかる。9月には手術をした。全て無料。 乳幼児医療費助成のおかげ。プラス、我が家は、特別児扶養手当を受給している。てらの療育費、入院時の雑費等を賄える。 日本は、福祉後進国と言われる。もちろん、改善点はいつでもあるだろうし、もっとあーしろ、こーしろと言おうと思えば、調子に乗って、どれだけでも言えるだろう。でも、我が家は、日本の、町の福祉政策に確実に助けられている。何よりもまず、今受けてる行政のサービスに感謝をすべきだと気づいた。 J.F.ケネディーが言った「国があなたの為に何をしてくれるかを問うのではなく、あなたが国の為に何ができるかを問おう。」という言葉が身にしみている。 行政に助けられている我が家、どういう形で恩返しできるかを常に考えておきたい。もちろん、納税の義務はきちんと果たしていきたい。

人生、折り返し地点は過ぎた。 でも、まだまだ気づく事、学ぶ事がある。てら先生、これからもご教授よろしくお願いします。

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コメント

乙武さんの五体不満足をはじめて読んだとき、お母さんの育て方・・・というか、物事ののとらえ方に驚愕したのを覚えてる。
あ~この人はなんて幸せな思考をしてるんだろうって・・・
このお母さんに育てられたからこそ、乙武さんがあんなに幸せそうに過ごせてるんだって思った。

私は障碍を持った子どもを育てたことはないし、その苦労や思いを本当に理解することはできてないと思う。
でも、自分のところに生きて生まれてきてくれさえすれば・・・って思いは何度もしたから、とにかく生きていてってカズの時は思ってた。

テラを受け入れて、そしてこうやって考えることの出来る母を持った彼はこれからもきっと幸せな人生を送るんだと思うよbleah

投稿: みかりん | 2010年12月16日 (木) 21時56分

みかりん、コメント早っhappy02 そうそう、乙武さんのお母さんには脱帽だね。本当に素敵な両親だと思うよ。 まだまだ山あり谷ありだと思うけど、チャレンジもまた楽しいよねnote

投稿: むっちゃん | 2010年12月17日 (金) 09時58分

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